渋谷区では昨年8月に「歩行喫煙はしない」、「タバコは決められた場所で吸う」という独自の「分煙ルール」を定めましたが、本年4月1日からは、渋谷駅周辺半径300メートル以内を分煙ルールの重点地区として指定し、同日に啓発セレモニーも行いました。
渋谷区の分煙ルールは、「全国から幅広い層の人が訪れる渋谷では、一律に罰則を適用する禁煙対策はなじまない」という考えのもと、千代田区のように過料徴収などはせず、渋谷区が用地を確保し日本たばこ産業(JT)が喫煙所を整備するという全国で初めての手法により、ハチ公前広場をはじめ15ヶ所の喫煙スペースを設置し、徹底的に分煙対策を図り、歩行喫煙を禁止するものです。
重点地区指定による喫煙所の設置について、利用者や来街者の反応は概ね良好なようです。「気兼ねなくタバコが吸える」、「街に優しい感じがする」、「歩行喫煙が減り子供と安心して歩ける」という声や、地元商店街からも「喫煙スペースのまわりの違法駐輪が減った」という声が寄せられる一方、15ヶ所の喫煙スペースの周知度が足りないなど今後の課題もあります。ともあれ、喫煙者のモラルに期待し棲み分けをしようとする試みが、繁華街である渋谷駅周辺で始まったことを評価しつつ、今後は行政、地元、JT等企業、NPOが協働して、その実を上げることを心より期待します。