今こそ抜本的解決策を
渋谷区のホームレス増加にNO!!

◇予算委員会の質疑
 先日行われた予算特別委員会・福祉保健分科会での審議中、ホームレス対策事業費で衝撃的なデータが示されました。東京都全体でホームレスの人数が大幅に減少し、4年ぶりに5,000人を割り込んだのに対し、渋谷区内で生活するホームレスは今年2月現在、昨年同月比で約50名の増、583人にも上っていたのです。

◇その原因は?
 これは、東京都が区と共同で新宿中央公園や新宿戸山公園において行う「地域生活移行支援事業」すなわち、ホームレスに対し格安の家賃(3,000円/月)でアパートに入ってもらい、その中で仕事を探し自立を促すというプログラムに起因すると思われます。この事業により、昨年1年で新宿中央公園では330名いたホームレスは約80名にまで減少しています。これと同時に新たなホームレスが公園内に入らないようガードも固めたため、勢い隣接する渋谷区に多くのホームレスが流入したものと思われます。原宿の区立中央図書館では、急にホームレスが多くなり、臭いなどで読書や勉強に集中できないなどの苦情が寄せられています。

◇主戦場は代々木公園
 私は一昨年、渋谷を視察に訪れた石原都知事に、代々木公園を利用していた陸上女子実業団チームがホームレスに追いかけられ引っ越してしまった例を挙げながら「代々木公園のホームレスを減らし、公園本来の姿に戻して欲しい」と直訴しました。その甲斐あって(知事が先日、記者会見でこの例を取り上げていました)、今年度はホームレスをアパートに移す事業は代々木公園が主戦場になります。現在公園内に暮らすホームレスは422名、減少目標は70%ですから300名近いホームレスが代々木公園から民間アパートに移ることになります。

◇外された宮下公園
 
渋谷区内のホームレスは圧倒的に都立代々木公園に集中しています。しかし、区立宮下公園にも76名ものホームレスが暮らしているのにもかかわらず本年度は事業が行われる予定はありません。宮下公園の公園面積に対するホームレスの人数は、はるかに代々木公園をしのいでいますし、JR渋谷駅から原宿駅間でばっちりブルーテントが露出している現状を見れば、代々木公園と同時並行でこの事業を進めていく必要があります。ましてや、私の悲願でもあり、今年度やっと予算が計上されたフットサルコートの設置もホームレスが移動しなければ実現することができなくなります。

◎伊藤たけしの判決!!
 
私は区議会本会議での質問や、委員会での質疑、さらには予算要望の場をとらえ、ホームレス問題の解決策を提言してきました。渋谷区でも本年度から福祉部に係長級の「ホームレス担当主査」を置き、体制強化を図っています。しかし、どんなに渋谷区が頑張っても自ずと限界がありますし、東京都が本腰を入れなければ、この問題の抜本的解決は不可能です。ですから私は、今夏の戦いに勝ち抜き、今度は都議会の場でホームレス対策を訴えたいと心から思っています。したがって今回は、代々木公園で行われる「ホームレス地域生活移行支援事業」の効果に期待しつつ、これ以上の渋谷区へのホームレス増加に「はっきりNO!!」です。