コンクリートジャングルで水が暴れる
都心の水防体制強化にYES!!

◇今年の風水害
 過去最多となった10個の台風が日本列島に上陸した本年、風水害による死者・行方不明者は220人を超えました。この数字は自然災害による死者としては95年の阪神大震災以来とのこと、特に10月20日の台風23号は各地で河川の決壊や市街地の冠水、土砂崩れ、高波などによる深刻な被害をもたらし、死者・行方不明者は90人を超えています。

渋谷区の被害状況
 渋谷区でも台風22号・23号による風水害が多数発生しています。道路の冠水、床上・床下浸水、地下浸水やよう壁の倒壊など、合わせて117件の被害が報告されています。死者はもとより怪我人も出なかったことが不幸中の幸いと言うところでしょうか…。

◇50mm対応の限界
 渋谷区では「渋谷区防災計画」に基づき、風水害の予防にあたっています。渋谷川では1時間・50mmの降雨に対応した護岸整備(コンクリート化)を平成14年度に完了、下水道についても50mm対応を強化するとともに、水の出易い地域では雨水貯留施設などを建設しています。しかし、台風22号・23号とも渋谷川では水があふれ、浸水多発地域ではやはり冠水、50mm対応の限界を露呈しました。

◇すぐに出来ることは何か?
 現在、東京都並びに渋谷区でも1時間・75mm降雨対応の施設整備を手がけ始めましたが、この完成には時間と予算がとてもかかります。さらに、台風23号通過時(10月20日午後10時)は125mmの時間降雨を記録したとのことですから、コンクリートに固められた水防計画では都市型水害にパーフェクトに対応することは不可能です。であれば、すぐに手を打てることから始めなければいけません。

◎伊藤たけしの判決!!
 
私は、(1)危険情報の素早い伝達、並びに(2)水防訓練の強化が当面渋谷区をはじめ都心部では必要であると考えます。(1)については、現在区で利用している「水防監視システム」「防災気象システム」から得られた情報区内に(特に浸水多発域)いち早く広報車、防災無線、FMラジオ等で知らせる。(2)については現在、平日実施で区民参加が出来ない水防訓練を改め、震災対策訓練同等に行うべきだと思います。しかし、ともあれ先日の台風では地域住民をはじめ、渋谷区役所、消防署、消防団(私も所属です!)など関係者の働きは目覚ましいものがありました。この被害の教訓を生かして、次回の対応がしっかりされることを心より期待し、今回は、都心の水防体制強化にはっきりYES!!です。