苦し紛れの統合はスジが違う
介護保険・障害者福祉の統合にNO!!
◇両論併記
 
来年('05年)の介護保険制度見直しに向けて、厚生労働省の「社会保障審議会・介護保険部会」は、先月末にまとめた報告書の中で最大の課題であった介護保険と障害者福祉との統合について結論を出せず、賛否両論を併記、議論を秋以降に先送りしました。

◇なぜ統合なのか?
 '00年に始まった介護保険制度は5年後の見直しが法律で義務付けられています。厚生労働省は予想を超えるスピードで膨らむサービスの給付費に対応するため、またこちらも目算がはずれた障害者支援費制度の需要の急激な伸びに対し、現行40才以上の介護保険料の徴収年齢を引き下げ統合すれば、安定した財源が確保出来ると目論んでいるのです。

◇アンケート結果
 朝日新聞が全国の首長にアンケートをとったところ、介護保険と障害者福祉の統合には48%の首長が反対、その主な理由は「障害者と高齢者では必要なサービスの量や内容が違う」、「障害者福祉は税金で賄うべき」などで、この調査結果からは、介護保険と障害者福祉を運営している区市町村の統合に対する理解が未だ充分に得られていないことがうかがえます。

◇渋谷区の対応は
 私はこの問題が顕在化する前の6月初め、代表質問で桑原区長に向け、両制度の統合に疑問を呈しました。区長はその答弁で「渋谷区としては介護保険料徴収年齢の引き下げと障害者福祉との統合は区民の負担を伴うことなので、慎重な議論が必要」と答えており、私も全く同感です。

◎伊藤たけしの判決!!!
 この統合案をめぐっては、主要な障害者団体でも意見が割れていますし、日本経団連は従業員の介護保険料の半分を出している企業の負担増になることから反対をしています。私は、健常者でも必ずお世話になるであろう医療や介護と違い、2%程度に過ぎない障害発生率に社会保険方式がなじむとは思えません。ノーマライゼーションの見地からも、障害者福祉はキチンと税金で支えるのが当然だと考えます。従って今回は、国民的な議論を尽くすことなく、財源不足を理由にしたスジの違う統合案にはっきりNO!!!です。