◇嵐の5月
5月は国会議員による年金未納・未加入問題と、それに伴う政局の嵐が吹き荒れた1ヶ月でした。4月末の現職6閣僚の未納が発覚した後、5月7日には自らの対応の不手際を理由に福田官房長官が辞任、10日には民主党の菅代表も辞任表明に追い込まれました。その後、小泉首相や公明党の神崎代表、坂口厚生労働大臣にまで未納・未加入があったことが判りました。挙げ句の果てには、民主党次期代表に内定していた小沢一郎氏にも未加入期間があったことを自ら公表、代表選立候補を取りやめにするなど、まさに未納・未加入の「魔女狩り」のような1ヶ月となりました。
◇ヤマ場の攻防も・・・
国会では与党が6月4日の参議院本会議での年金制度改革関連法案成立を目指し、与野党の攻防が激しさを増しています。しかし、野党の抵抗は「未納議員」公表法案の提出とか、小泉首相や坂口厚労相、未納歴のある閣僚への問責決議案の提出など、未納・未加入問題一辺倒で、本来議論されるべき制度の中身を良くしようという声がほとんど聞こえてこないのでは、国民もウンザリしてしまいます。
◇たけしの場合
私も社会保険事務所に行き、自らの年金支払い状況を調査してきました。高校卒業後、家を出された浪人中、アルバイト先の都合で年金に加入、しかし食うや食わずのバイト生活では毎月の保険料を支払えるわけもなく、浪人時代から大学卒業時までの69ヶ月間未納期間が生じました。もちろん卒業後は、国会議員秘書時代から現在に至るまでキチンと払い続けています。もし、読者の方から「公人のくせに」との批判があれば、甘んじてお受けします。しかし私自身、未納期間は致し方のない事情によるものと考えますし、この原因は現行の無理な年金制度にあると思っています。
◇本質議論が聞きたい
国会議員による年金未納・未加入の総数は、政府関係者も含め120名を超えました。しかも悪意を持って払わなかった方は皆無です。議員年金との勘違いや入閣時の手続きミス、任意加入時代のことであったりと、明らかに年金制度そのものが複雑で解りづらかったり、制度が次々と変わったことによるものです。この際、未納・未加入ドミノは与野党とも「痛み分け」ということで終わりにし、年金制度に不信感を増大させている国民が納得できるような、本格論戦を聞きたいものです。
◎伊藤たけしの判決!!!
今回の法案は、突き詰めて審議が行われないまま成立する見込みですが、現在3分の1が国庫負担で賄われている基礎年金を'09年までに2分の1に引き上げる財源問題や、将来にわたる負担と給付のあり方の本格的検討、そして、3党合意(民主党は抜けるようですが・・・)がされた「年金一元化」の検討など、今後の抜本改革は避けて通れません。よって今回は、このような状況にもかかわらず、女優・江角マキコさんから始まった未納・未加入ドミノ問題に終始した今国会にはっきりNO!!!です。
|