バブル後の時代(失われた10年)の終焉
渋谷区の平成16年度予算にYES!!

◇可決した大型予算
 去る3月30日の区議会本会議で平成16年度の一般会計予算をはじめ、国民健康保険、老人医療、介護保険の各会計予算が可決成立しました。国や東京都、全国地方自治体が軒並みゼロベースかマイナス予算を編成する中、渋谷区は一般会計が852億3300万円で前年度より金額で111億7700万円、率にして15.1%の増という久しぶりの大型予算となったのです。

◇渋谷区実施計画
 成立した今年度予算の基になったのが、近未来の渋谷区の方向性を示した平成16年度を初年度とし平成18年度までの3ヶ年計画である「渋谷区実施計画(第1次)」です。この計画に示された事業数は86、そのうち、何と27事業が新規のものです。バブル経済崩壊後、行財政改革まっしぐらのころには考えられなかったことですし、国が「三位一体改革」に象徴される「財政構造改革」を、東京都が「財政再建推進プラン」を本格的に進めていることを考えると、この時期としては出色な計画です。

◇桑原カラー
 桑原区長は助役時代から行政マンとしての能力は評価されていましたが、政治家としての資質も求められる区長としての初めての予算編成、注目の集まる中、区政全般に目配りをしながらも、メリハリのきいた予算を組みました。特に緊急性の高い「安全対策」、「中小企業支援」、「子育て支援」など、重点的に予算を配分しながら、今までの区長が先送りしてきた諸課題、例えば、「二の平渋谷荘改修」や「旧町名の復活」、「新庁舎の検討」にも積極的に取り組むなど、区政への意気込みが感じられます。

緩めぬ手綱
 
一方で、健全財政を維持するため「行財政改革」の手綱も緩めていません。職員人件費については、職員定数の削減、退職金の引き下げ、特殊勤務手当の見直し、問題となっていた名誉昇給制度の廃止等により、約8億7000万円の削減がなされています。

◎伊藤たけしの判決!!
 
さらに「国民健康保険事業会計」についても、東京23区が「統一保険料方式」を採用し、今年度、揃って値上げする中、他区から猛反発を食らいながらも「渋谷区は現下の厳しい社会経済情勢をかんがみ、値上げせず保険料を据え置く」と譲らず、なかなかの反骨ぶりも見せてくれました。よって今回は、議会と協力し、たゆまぬ行財政改革を進め、バブル経済後のいわゆる「失われた10年」を克服し、健全財政の下に編成された、渋谷区の平成16年度予算の積極性にはっきりYES!!です。