東京都の提示は留置場数300人以下
原宿大規模留置場問題の政治的決着にYES!!

◇最後通告
 10月10日に開かれた原宿大規模留置場対策四者協議会(地元・区・区議会・区選出都議)に出席した東京都は、留置場の規模は300人以下と告げました。そしてこの数は石原知事・竹花治安担当副知事・財務局長が協議を重ね、東京都として調整できる限界の数であるとの認識を示しました。

◇数の変遷
 平成13年10月に新聞が初めて「旧社会事業大学跡地に東京都が1,000人規模の留置場を計画」と報じました。その後、石原知事は記者会見で正式に600人を予定と発言、何の相談・説明も聞いていない地元・渋谷区・区議会は猛反発、それぞれの団体が活発に抗議行動を展開してきました。翌年の平成14年12月には渋谷区の質問に答える形で450人規模という数が示され、本年、知事・区長・区議会の改選後、新しい枠組みの中で出された数字が冒頭の300人以下というものです。

◇埋まる外堀
 構想が発覚した2年前から、社会の状況は一変しました。国民の意識調査で「治安対策」が、だんとつトップに跳ね上がるほど、治安の悪化は著しくなっています。特に渋谷は、小六少女達の拉致・監禁事件や、連続通り魔事件に象徴されるように連日マスコミが危ない街と報じています。東京都は都民の不安解消に向け、警察官の増員、治安担当副知事の配置、さらには都内の留置場配置計画を示し、その不足数を補うため、鮫洲には仮留置場を建設すると発表したのです。このような状況下において「原宿にだけは作ってはならない」という論法は、もはや通用しにくくなってきました。

今後の動き
 
今後は都が示した「300人以下」という数の是非について、地元や区議会で協議が始まります。当然「こんな数ではダメだ!」との意見も数多く出されるものと思います。しかし、1,000人から300人以下にまで規模が縮小されたことと、現在の治安状況を考慮すれば、これからも断固反対!という姿勢を続けることは「地域エゴ」の批判を都民から受けることになりかねないのです。

◎伊藤たけしの判決!!
 
読者の皆さんからは「伊藤たけしは変節した」と言われるかもしれません。しかし政治とはその時々の状況に応じて、その対応も変化しなければならないものです。ましてや東京都と交渉を優位に進めていくために2年間に及んだ原宿大規模留置場問題を政治的に決着するタイミングは今しかないと考えます。これからは隣接する原宿外苑中学校や区立中央図書館、近隣商店街への影響を最小限に抑えた上で、地域の要望を施設に取り込んでいく必要があります。
 よって今回は、留置場規模300人以下という条件下で、社会事業大学跡地計画について東京都と渋谷区が正式に交渉を開始することにはっきりYES!!です。