真の特色ある学校づくりを阻害する!
公立小・中学校の学校別成績公表にNO!!
◇荒川ショック!
 
荒川区教育委員会は先月5日、区立の全小・中学校の児童・生徒を対象に実施した学力テストについて、学校別の成績を公表、区のホームページにも掲載しました。荒川区教委では「学力低下が全国で指摘される中、公立校間で基礎的な学力の到達度を高めるための競争は必要と考えた」とコメントしていますが、同区は小・中学校を自由に選べる「学校選択制」を導入していますから、学校選びにあたっての参考になることは明らかです。また、品川区でも夏には同様の学力調査結果を公表する予定です。

◇学校・保護者の反応
 学校・保護者の反応は様々です。学校側は「自校の弱い部分を保護者らと考えていく資料にしたい」という肯定的な意見もありますが、大方の学校は「数字だけで学校を判断されないか心配、一面的にとらえられるのは怖い」という反応です。保護者にも「公表は構わない、出来れば教師別のデータも欲しい」、「勉強だけで自分の子供の通う学校が序列化されるのはイヤ」と賛否両論あるようです。

◇渋谷区への影響
 先月の本会議で渋谷区教育委員会は私の質問に対し「今月中には来年度からの小・中学校学校選択制導入を決定する」と答弁、渋谷区でもついに学校選択制が始まります。このスタートの大切な時期に、先行して学校選択制を取り入れている各自治体が学校別成績公表を始めれば、渋谷区でも教育委員会、学校、保護者の間で無用な心配や不安の声が挙がるのではと懸念されます。

◇特色ある学校づくりとは
 品川区や荒川区は、確かに先進的な教育を行っていますが、「特色ある学校づくり」と「テスト勉強の出来る学校」とを取り違えているようです。真の特色ある学校とは、基礎的な学力を確実に維持しながら、「一貫教育によるゆとり」、「英語教育による国際化」、「スポーツが盛ん」など決して点数だけでは表すことの出来ない特色づくりを進めていくことだと私は考えます。

◎伊藤たけしの判決!!!
 教育情報といえども情報公開は必要だと思いますが、今回の情報公開は保護者が学校を選択するためだけの資料に過ぎません。学校は学力テストの結果だけで序列化されることを恐れ、テスト勉強を最優先させ、特色ある学校づくりなど二の次になってしまうのではと危惧します。
 従って今回は、真の特色ある学校づくりを阻害し、全く必要性を感じさせない「学校別成績公表」にはっきりNO!!!です。