掛け声倒れの構造改革特区構想
骨抜きにされた教育特区にNO!!
◇構造改革特区とは
 これは小泉内閣が進める規制改革の「目玉」と言うべき構想で、特定の地域に限り自発性を尊重して規制を緩やかにし、そこでの成功例を全国に波及させて経済を活性化させるというのがねらいです。11月8日を目処に政府は特区法案を臨時国会に提出する意向です。

◇わずかな実現特区
 しかし、全国の自治体や企業から提案された多くの要望項目は最終的に約10分の1程度にまで削られ、文部科学省に関わる要望は総数134に対し15のプログラムが盛り込まれたにすぎませんでした。

◇頑なな文部科学省
 文部科学省は表向き「特区構想そのものには賛成」という立場を取っていますが、実現のために法改正を伴うものについては「対応できない」「全国一律で進めるべき」などとの立場を崩さず、最大の焦点となった株式会社の学校経営については「教育は公の性格を持っている。営利目的の企業が経営することは認められない」として総合規制改革会議(オリックス宮内議長)の意見や特区担当大臣の要請を突っぱねたのです。

◇幻に終わった渋谷区立国際小学校
 渋谷区でも、旧渋谷小学校跡地に複合施設を計画するに当たり、地元美竹まちづくり研究会から「公立民営による新しいスタイルで英語教育中心の小学校設立を」との要望が出されました。これはいわゆる「コミュニティスクール」と言われるもので、総合規制改革会議の「中間のとりまとめ」にも盛り込まれた事項でした。渋谷区と教育委員会は渋谷区立国際小学校の可能性について、内々、文部科学省に打診をしましたが「公立民営の学校はまかりならない」と一蹴され、地元の悲願である小学校の復活は幻と消えたのです。

◎伊藤たけしの判決!!!
 結局今回の教育特区では
(1)多様なカリキュラムを認める特区
(2)不登校児童・生徒を対象とした特区
(3)幼稚園と保育園の一体化を進める特区
(4)大学院等を設置しやすくなる特区
など、現状を追認するようなものしか認められませんでした。これでは、特区構想の理念は骨抜きにされたのも同然です。
 よって今回は、省益を守ることだけに奔走し、規制緩和への「抵抗勢力」と成り下がった文部科学省と骨抜きにされた教育特区にはっきりNO!!!です。