東アジア安定に向けた苦悩の決断を評価
小泉総理の歴史的訪朝にYES!!

◇言葉を失った悲しすぎる「成果」
 「8人死亡、5人生存」これが北朝鮮から示された拉致問題への答えでした。金正日総書記がこれまで全面拒否してきた拉致を自ら認め陳謝したことは衝撃的で、歴史の扉が開いた瞬間ではありましたが、あまりに悲惨な現実を目の当たりにし、生存を信じていたはずのご家族はもとより日本国民全員が血の涙を流すような悲しすぎる「成果」がそこにはありました。

◇北朝鮮という国
 アメリカ ブッシュ大統領がイラン・イラクと並び「悪の枢軸」「ならず者国家」と非難する国。独特の「主体思想」に基づき金総書記が「首領様」と個人崇拝される国。そんな国のトップに拉致・不審船問題について国家の関与を認めさせ、謝罪を引き出したことは意義深いことではありますが、これまで彼の国が行ってきた非合法的な数々の国家的犯罪行為を考えたとき、その謝罪が本物かどうかとても疑わしく、拉致され死亡された方々のあまりにも若く、不自然な死亡年月日を見れば、とても病死されたものとは思えません。多くの国民同様、私も北朝鮮という国を決して許すことも信じることもできないのが現実です。

◇苦渋の決断
 8人死亡の事実を会談直前に知った小泉首相は「大きなショックだ」と息をのみ、一時は国交正常化交渉再開、平壌宣言への合意をあきらめかけたといいます。その苦悩は厳しい表情を一時も崩さなかった北朝鮮滞在中のテレビ画面からもよく伝わってきました。外交を司る一国の首相として東アジア地域の平和・安定と失われた人命の重さを秤にかけて、平壌宣言に署名する決断をしたことは、小泉首相にとってあまりに孤独で厳しいものだったであろうと推察されます。

◇批判と評価
 
拉致事件の被害者8人死亡という最悪の結果にもかかわらず、国交正常化交渉再開を決めたことに対し国民から「こんな無法者の国と国交を結ぶ必要がどこにあるのか」と衝撃と憤りに駆られた電話が数多く首相官邸に寄せられました。また、8人が死亡した年月日を政府が家族にもすぐに知らせず公表しなかったことは言語道断です。
 しかし、国内各種世論調査では約8割の国民が今回の日朝首脳会談を評価しています。アメリカ、韓国をはじめとする国際社会も平壌宣言に北朝鮮の核開発やミサイル発射問題が盛り込まれたことで、東アジアの安全保障の環境を好転させる起爆剤になったと歓迎の意を表しています。

◎伊藤たけしの判決!!!
 今後は国民が納得できる拉致問題の全容解明を始め、両国の過去の清算、東アジアの安定に向け、政府は北朝鮮と向き合わねばなりません。戦い(交渉)は緒に就いたばかりですが、私は今回の日朝首脳会談は鳩山政権下の日ソ首脳会談、田中政権下の日中首脳会談と並ぶ歴史的なものであったと考えます。よって今回は、小泉首相が新しい歴史を刻む扉を開くため下した崇高な決断に、はっきりYES!!!です。