◇もめた渋谷区議会
6月定例区議会の終盤、区議会与党である民主党・社民党系会派と野党の共産党からそれぞれ「有事関連法案の慎重審議を求める意見書」を政府並び国会に提出したいとの申し出がありました。与党会派からも要望が出たものですから、現議長と自民党幹事長は調整に走り、私にも相談がありましたので「呉越同舟、成立を求める我々と廃案を求める党とでは、最後は合意できない」とアドバイスしました。この件で夜遅くまでもめた区議会は、結局予想通り全会派一致せずと言うことで意見書の提出は見送られました。
◇有事法制関連三法案とは
武力攻撃事態対処法案、安全保障会議設置法改正案、自衛隊法等々改正案からなるいわゆる有事法制関連3法案は「備えあれば憂いなし」の考え方のもと、他からの武力攻撃の可能性が現実になる前(平時)に、戦争や危機の際に国民と国家全体との連携の方法を予め定めようと、今国会に政府が提出していたものです。
◇これは身近な問題です
有事法制関連3法案は国家の外交問題だと考えている方もいるようですが、実は武力攻撃事態に対処するために、国民の人権が制限されたり、首相が地方自治体に代わって直接執行できる規定などが盛り込まれるなど、私たちの身の回りにも大いに関係があるのです。私は、外部からの攻撃により自治体や国民の権利が侵害されるよりは、国家が国民の基本的人権を守るために、ある程度の制限を加えることはやむを得ないことだと思いますが・・・。
◇法案の審議とゆくえ
結果として、有事法制関連法案は他の重要法案(郵政関連法案・医療制度改正法案)の犠牲になり、今国会では成立しませんでした。 衆議院では、65時間余りも審議されましたが、その中身が防衛庁の個人情報リスト問題や官房長官の非核3原則発言に質問が費やされ、中身が充分議論されていないとことも原因だと思われます。また、政府案では国民保護の規定が後回しにされたり、テロや不審船への対応が抜けている点も問題です。
◎伊藤たけしの判決!!!
しかし、我が国が武力攻撃を受けた場合などに対応する法制度を整備することは当然必要であり、むしろ法案提出は遅すぎたと私は思います。ここは1度仕切直しをして不備な点を直し、時代にマッチしたものを提案、そして国民的議論をじっくり経て成立させるべきものだと考えます。よって今回は、仕切直し後の有事法制関連3法案の成立にはっきりYES!!!です。
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