◇渋谷区長の憂鬱
4月11日午後、小倉区長より至急相談したいとの連絡が入りました。急いで区長室へ駆けつけると「みずほ銀行のシステム障害の影響が出ている」とのこと。内容は3月31日納期限(同日日曜日のため4月1日口座振替)の国民健康保険料、区民税、介護保険料、保育料等、区政全般にわたる公金収納金のうち、旧第一勧銀分の2,508件がシステム障害により引き落とされたかどうか未だ全く不明の状態だということです。区長としては大きなトラブルになる前に区議会へ報告したかったようです。翌4月12日にはみずほ銀行の正常処理が可能となり収納データが提出され事無きを得ましたが、この12日間に渋谷区が受けた事務的、精神的被害は甚大です。
◇システムトラブルの概要
みずほ銀行のシステムトラブルをおさらいしてみますと、4月1日の開業日にまず旧富士銀行系のATMがトラブルを起こし、2日早朝には口座振替で大量の引き落とし未処理が発生しました。4月5日には口座振替の遅れが250万件に達し、二重引き落としまで発生。9日に前田みずほホールディングス社長が国会に参考人として呼ばれ謝罪するも、翌日には新たな口座引き落としもれも判明しました。4月18日、口座振替の遅れは解消しましたが、入金や結果通知は依然大幅な遅れが続いています。
◇原因の説明責任がある!
資産規模で世界最大の銀行グループで、何故こうした事態が起きたのか?専門家やマスコミはその原因がシステムの統合計画の甘さや事前テストの不足にあるとしています。当初、旧第一勧銀のシステムに統一すると決定されたものが旧富士銀行の巻き返しにより両者のコンピューターをリレーコンピューターでつなぐ暫定方式に変更するなど、旧銀行間の主導権争い、メンツ争いが結果、預金者に多大な迷惑をかけたのです。
しかし未だに、みずほ側からは調査中というだけで原因の公表がなされていません。みずほには早期の説明責任がある!!
◇責任の所在もはっきりせよ!
みずほホールディングスでは、独自の調査をした後、金融監督庁による検査を経て結果を公表し、その後、経営陣が責任を取るとしています。みずほ側の責任は重大です。しかし、政府の対応はどうだったでしょうか?柳沢金融担当大臣は「4月1日に店を開いた銀行は健全な銀行である」と胸を張っていましたが、この体たらくはどうでしょう?統合直前のゴタゴタを把握できずに同行のスタートを許可した金融庁の監督責任も免れません。
◎伊藤たけしの判決!!!
みずほ銀行のシステムトラブルは渋谷区だけにとどまらず、東京都を始め、みずほ銀行を指定金融機関にしている多くの自治体や預金者、利用者全てに損害や不安を与え信頼を失いました。よって今回は旧銀行間の主導権争いに明け暮れ、国民、利用者の視点を全く無視して引き起こした「人災」であるシステムトラブルと、金融庁の監督不行き届きにはっきりNO!!です。
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