◇学校完全週5日制が始まる
いよいよ今日から区立幼稚園、小・中学校では学校完全週5日制が始まり、全ての土曜日が休日となり、授業は月曜日から金曜日に行われることになります。ご存じの通り土曜日休みは月1回から2回へと拡大され、今月から完全実施されたものです。子供達は皆、大歓迎の様子ですが保護者からは「学力低下」「土曜休み」への不安が多く寄せられています。全国の中学校長へのアンケートでも7割の校長が「生徒の学力は低下する」と考えており、私立学校においては文部科学省の指導もむなしく55%しか完全学校週5日制を導入せず、学力の「公私間格差」の懸念も出ています。
◇新学習指導要領とは
これは完全学校週5日制にあわせて施行されるもので「知識詰め込み型教育」の反省から、小・中学校の教育内容を3割ほど減らし、その結果生まれる時間的ゆとりを使い、自分で考え学ぶ力(生きる力)をつけることを目指すものです。教科書を使わず子供の関心や体験を重視する「総合的学習」は生きる力育成の目玉ですが、台形の面積を求める公式を教えないなど、教育内容を削りすぎだという批判の声も上がっています。
◇国・自治体の対応策は
文部科学省では、保護者等からの「学力低下」を懸念する声に押され、1月には遠山文部科学大臣名で「学びのすすめ」と題するアピールを発表しました。宿題や補習まで具体策を示すなどして不安に応えようとしています。多くの自治体でも、子供達の個性を生かす教育や生きる力の育成に力を入れることより「寺子屋」「土曜日学校」「ホリデースクール」など名称は違いますが、学力低下に対応した補習の色合いの濃い施策が計画されています。しかしこれらの国や自治体の対応は、完全学校週5日制や新学習指導要領の本来の目的から後退する政策であると言わざるを得ません。
◇渋谷区の取り組みもスタート!
渋谷区の教育委員会では、保護者等が持つ「学力低下」への不安に対しては、新教育指導要領に定められた時間内に、基礎・基本の確実な収得を行い「学力向上」と「生きる力育成」の両立を図ることが可能というスタンスを取っています。休日となる土曜日・日曜日については「土日クラブ」を開設し、部活動の充実を図るほか、豊かな人間性や国際社会に生きる日本人を育成するため、外国人教師による外国語教育を大幅に拡大するなど「特色ある教育」にむしろ重心を置いています。
◇学校・教師の改革こそ必要
しかし学校経営や教師の意識改革無くして、子供達が学ぶ意義や喜びを感じ取れるわけはありません。旧態依然の詰め込み型教育、テストのための学習では自主性や思考力、判断力は決して育たないと思うからです。この点からも校長が学校経営の私的アドバイザーを置く「学校評議員制度」や、良い教育を行うため教師の研修制度を充実させるなど、渋谷区教育委員会の現時点での姿勢は一定の評価が出来ます。
◎伊藤たけしの判決!!!
さらには、私が3年越しに提案をし続けてきた、いわゆる「学校選択制」についても先の区議会で「実現する」との教育長答弁があり、これからは選ばれる側になる学校や教師は生き残りをかけて「特色ある学校」づくりや、自らの資質向上を進めねばなりません。
よって今回は、完全学校週5日制・新学習指導要領が持つ本来の精神に基づき「学力向上」と「生きる力」を両立させようとする渋谷区の教育改革への取り組みにはっきりYES!!です。
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